楽記

笙 うた 奏者 大塚惇平のブログです。

成熟と未熟。

仲野麻紀さんのopen radioを聴きながら笙の洗い調律なぞをしとるわけですが、この音楽文化の成熟したありようはいかがなものでしょうぞ…自分の未熟さが照らし出される訳ですが、、、

雅楽、笙、ひいては日本の「伝統」の世界というのは、やはり「明治維新」を通っていることのある種の「歪み」みたいなものが、まだ肯定的な意味で昇華されていないように思う。それは「日本」という国自体がそうなのだろうけれども。

仲野さんのradioを聴いているとすごいなー、こんな成熟した大人な世界があるんだなー、と思うけれども、ここ日本でこういうことをやっているからこそ響いてくる音、音楽がある。それが未熟なものであれ、だからこその生きて響いてくる意味。「全体」との関係の中でこそ響いてくる「個」。でかでかしいですね。

自分は熱心な「音楽ファン」ではないかもしれない、、と思うことがありつつも、大きく「生きている」中で響いてくる様々な「音」「音楽」に耳を澄ませたい。その地平でのコミュニケーションこそが自分にとって大切なことなのだ、と自己肯定してまた調律に戻ります。