楽記

笙 うた 奏者 大塚惇平のブログです。

4/15,16 渡会みつはるサロンコンサート!

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奈良県は明日香村在住のピアニスト、渡会みつはるさん宅でのサロンコンサート2Daysが終了しました。このサロンコンサートは、みつはるさんが書家でパートナーの美枝子さんと共に村内外の様々な人たちの、音楽を通した交流の場を目指して開かれているものでした。今回で7回目で、そのゲストに畏れ多くもお呼びいただいたのでした。お宅は、なんと石舞台古墳のど真ん前。

とにかく濃ゆい明日香滞在でした。が、まずはコンサートのことを。とにかく、みつはるさんのとても純粋で、ロマンス溢れるピアノとの響き合いに尽きました。ドビュッシーの「塔」に笙アレンジで入り、即興演奏も・・・そしてなんと駿河歌とピアノのコラボも。私のソロは、太食調調子から、藤枝守氏作曲「植物文様 笙曲集 第17集 patternC」 など。個人的にはみつはるさんのドビュッシーの曲たちが白眉でした。

会場は満席で、明日香村在住のおばちゃんたちから、移住者の方たち、高名な陶芸家の方や、明日香村村長ご婦人まで…渡会ご夫妻のお顔の広さたるや。でした。そこで知り合った音楽家の方達との交流もとても楽しいものでした。

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印象に残っているのは、美枝子さんがおっしゃっていた、「風土」という言葉についてでした。それぞれの土地、つまり風土というのは、「土」、そこに元から住んでいる方達と、「風」、新しい何かを運んでくる外の人間たちの両方によって成り立っている、という考え方です。今回のサロンは、まさに風と土を結ぶ場となった感がありました。

芸術家の夫婦が明日香村に越してきて、その土地に根付いていく、暮らしていくということは、ほんとうに並大抵のことではないのでしょう。けれど、このサロンコンサートでその「風と土をつなぐ場」を、確かにこのお二人は生んでいるのだな、ということにとても感じるものがありました。そこにこそ、「生きるということに近い音楽」があるのかもしれません。

また、いろいろな移住者の方たちとお話しできたことも大きな収穫でした。音楽をされている方、農業をされている方が多いのが印象的でした。音楽はまさに風、でしょう。あまり書ききれませんが、農のこともとても興味深いことを色々と聞くことができました。

渡会ご夫妻の活動により「風」と「土」が結ばれあたらしいものが芽吹いていくことを期待しています。

 

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