楽記

笙 うた 奏者 大塚惇平のブログです。

1/30ワテラスコモンホールでの動画をアップしました。

先日のワテラスコモンホールでの演奏会の動画をアップしました。

まずは冒頭の盤渉調を巡る即興から。

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一番手前の中村香奈子さんが奏しているのは「排簫」という楽器で、東大寺正倉院に宝物として収められていたものを近年復元楽器として新たに作ったものです。雅楽の伝統の中では演奏されませんが、東洋のパンフルートと呼べそうな、とても美しい音色の楽器です。雅楽において冬の調子であり、西洋音楽のシの音を中心にした音の巡りの「盤渉調(ばんしきちょう)」による即興演奏をしてみました。新春ということで、冬から春への時の巡りをイメージしております。

 

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次に雅楽古典の「双調調子(そうじょうちょうし)〜舞立 春庭楽(まいだち しゅんていらく)」を。双調はソの音を中心とした春の調子で、その場を双調の雰囲気に整えるために奏されます。舞のある曲で、古来宮中において立太子の式、春の節会の際に舞われていました。四人舞で、花が閉じたり開いたりする様のような、優雅な手のある舞です。おそらく、わたくしが古典で一番好きな曲かもしれません。。双調の曲は、ほんとうに春の精気のようなものがふわっと香ってくるような気がいたします。