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楽記

笙 うた 奏者 大塚惇平のブログです。

「スピリチュアリティー」のこと

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屋久島 宮之浦岳山頂から永田岳(たぶん)を望む

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屋久島での滞在を終え、東京に帰ってまいりました。なかなかに濃い体験でございました。

永田の山小屋に篭った後、島の南の、尾の間集落に滞在しました。こちらはうって変わって南国ムード、毎日色々な人たちに出会う動的な日々を過ごしました。有名な尾の間温泉にほぼ毎日入り浸りました笑。

モッチョム岳、太忠岳、そして九州最高峰で屋久島のいちばんの信仰の対象である宮之浦岳にも登ってきました。さて、せっかく屋久島に行ってきたので、普段僕があまり書かないようなことを。

カミングアウトに近いかもしれませんが、僕はかなりスピリチュアルな人間です(何をいまさらというお知り合いはどうぞご勘弁を笑)。それはずうっと前からですし、血みたいなものもあると思いますが、ほんとうにそういうことで気の合う人に出会うことが少なく、孤独に感じる事が多かったように思います。まあ、その辺りが僕のイケナイところだったりするわけですが笑。

大抵、人はそういうものを求めると、「かたち」や、イデオロギーに捉われてしまう事が多いです。自分の感じていることでなくて、何かのかたちやイデオロギーに依存して、それが自分の実感であると自分に偽ってしまう。それは主に生存に対する恐怖や不安からくることが多いのですが。

でも、本当の「そういうもの」というのは、外側のイデオロギーではなくて、内側というか、自分の本当に素直な実感の中にしかありません。

そうではなくて、何もない、その人のほんとうの実感から立ち現れてくる「何か」の中に、「そういうもの」はあると思っています。それはかたちも、名前もないものです。ただ、それが「在る」ということだけです。

何かの思想や、宗教を「信仰」して、その世界の中に入っていけば、その世界を体験することができるでしょう。でも、あくまでそれすらも相対的なものに過ぎないということだと僕は思っています。もちろん、何かの伝統の世界観に惚れ込んで、それを生きるということは、とても素晴らしいことだと思います。何かを「信じる」こと、あるいは「眼差す」ことを決めなければ、世界そのものの中に入っていくことはできない。思想や、宗教というものは、それを「生きて」初めて意味が立ち上がってくるものだからです。まあしかし、何を信じていなくても、人間というのは常に社会的な幻想の中に生きているのだと思います。また、幻想と実在は表裏一体、あるいは、常に拮抗しつつ相補しあっているものなのだと感じています。

いかに自分が相対的な幻想の中に生きているか・・・に気づくことが、自由に生きるために必要なことのように感じています。

さて・・・なぜこのようなことを書くかというと、「そういうこと」こそが自分が笙を吹く意味なのだなあ、と実感したからです。

ここのところ、特に一人で演奏することが苦しいなあ、と感じることが多く、どうしたものか、と思っていたのですが、

屋久島に滞在して、やはり、演奏をすることと、自身のスピリチュアリティーの部分を統合していかないといけない、ということに改めて気付き、そうすることに決めました。

昨年、笙の演奏を続けていくか、出家して真言宗の僧侶になるか迷っていた時期がありました。今でも、自分は演奏家というより、宗教者だなと思うことが多いです。しかし、今生では仏教の道を選ばないと決め笑、演奏を続けることを選びました。

自分が実感している「それ」を、音を通して表していく、そのうつわの一つとして、笙を選んでいる気がします。それともう一つ、やはり言葉でそういうことを伝えること、が、自分にとっては大事で、必要なことのように感じています。

私たちはどうしても(自分の理解している)「文脈」で物事を理解しようとしまうし、それに身をおもねてしまうけれど(それは生きるためには必要なことだけど)、そうではない、「どこかまったく与り知らないところからやってくるなにか」はあると思っています。その地平に立つことが自分にとっての表現者としての立ち位置のような気がしています。

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尾の間集落からモッチョム岳を望む。

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モッチョム岳への途上にある、万代杉

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尾の間集落の南国感

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太忠岳途上の森にて。屋久島らしい森。

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宮之浦岳登山の途上にて。

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宮之浦岳山頂。永田岳(おそらく)をバックに。

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西部林道内の森、ガジュマルの巨木。