楽記

笙 うた 奏者 大塚惇平のブログです。

10/31キッドアイラックアートホール!

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昨日のキッドアイラックアートホール、無事終了しました。いやー…恩恵とはこういうことをいうものだと思います。(写真は徹さんのタイムラインから拝借させていただきました)

徹さんの入院前最後の公演、とにかく、今年は徹さんとの出会いがなければありえない一年でした。2月に東京に久方ぶりに上京、引越しをしたまさにその日、最初の共演のオファーを頂いたことを覚えております。

僭越なことを承知で申し上げれば、徹さんのような「在り方」で音を出し続けている本当の意味での「大人」の方がいらっしゃるという事実に深く癒され、また、多くを教えられました。初めてデュオをさせて頂いた長野の原始感覚美術祭のリハでは、徹さんの音のあまりの凄さに何もできなくなるという笑、幸福な打ちのめされも経験しております。

昨日も音出しの時も自分の顔のニタニタが止まらなくなり、あわや、と思いましたが笑、本番、なんとかお二人と場を共にできましたこと感謝しております。事前に決めたおおよその流れのメモを楽屋に置き忘れた時は、はっ!!!となりましたが笑。徹さんのいつにも増して、の、音のこと、ジャンさんの声、あり方、動き、お二人の歴史、そして、ヨーロッパということ・・・感じたことは多々ありますが、言葉になりにくいので、それはまた。

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そして、ジャンさんとの出会いからも多くのことを学びました。本番の前にジャンさんのジャンさん体操、気の道のワークショップにも参加し、すでに深く打たれていたのですが笑、本番後の打ち上げで、「どうしてあなたはそんなにハートがオープンなのですか?」とジャンさんに尋ねたところ、「私はそれをピナバウシュと大野一雄と野呂先生から教えてもらいました」とおっしゃられたのを聞いて、また深く打たれたのでした笑。ああ、こういう風に繋がっていくのか、と。

ワークショップ、本番で、ジャンさんと、身体と場を共有する中で、感じていたのはまさにそれでした。ジャンさんの一つ一つの身振りの中に、そのジャンさんが身を置いてきた場所の記憶が二重映しに映って、それがものすごくたくさんのことを教えてくれるのでした。ああ、成熟するとはこういうことなのだと。他者を眼差し、そこにひらかれるとはこういうことなのだな…と。

まだまだ書き足りないですが、とにかくお二人とまだまだ一緒に居たかった!まずは徹さんの12月の復帰、そしてジャンさんの来年8月の来日を楽しみにしています。徹さん、ジャンさん、そして来てくださったお客様の方々、ほんとうにありがとうございました。

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イランの打楽器 雅楽の笙 LIVE 代々木上原 hako gallery

久々の、れおくんとのデュオライブです。デュオでの演奏を始めてちょうど1年くらいになりますかね。
彼との演奏は即興演奏が中心です。彼との演奏は、スーフィーダルヴィーシュと演奏しているような心持ちになります。こんこんと湧き出る音の泉の底に降りていくようなイメージ・・・。
このデュオでの即興演奏の時間は、瞑想的な旅の時間です。ぜひ皆さま音による旅の時間を楽しみにいらしてください。

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ペルシャ音楽の打楽器奏者、蔡怜雄と、雅楽の笙の演奏家、大塚惇平によるコラボレーションライブです。

毎回二人での演奏は即興演奏のみ、で構成しています。

今回もどのような「響きの場」を皆さまとつくっていけるか、楽しみです。即興演奏の醍醐味を体感しにいらしてください。

蔡怜雄
http://leosai.tumblr.com/

大塚惇平
http://ohtsukajumpei.com/

【日時】
2016年10月23日(日)
開場:18:30 開演:19:00

【場所】
代々木上原 hako gallery 2F
http://hakogallery.jp/

【料金】
前売・当日共に 2,000円 お茶付き

【ご予約・お問い合わせ】

人数把握のため、大塚 ohtsukajumpei@gmail.com までご予約をお願いいたします。

【演奏会のお知らせ】私は私の身体に戻り 幕のたもとで あなたと眠る Thank you, Kid Ailack Art Hall

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10月31日、キッドアイラックアートホールにて、齋藤徹さん、ジャン・サスポータスさんとご一緒させていただきます。齋藤徹さんとは今年から幸甚にも何度かご一緒させていただく機会を頂戴し、とても色々な意味で勉強させていただいています。

こういった偉大な先輩方とさせていただく時、自分自身が道半ばであることにとても喜びを感じます。そういう「レベル」にある方々が、「何をみて」「何を求めて」いるのか・・・もちろん、舞台を見ることもそれを知る機会ですが、最上なのは、やはり共演させていただくことです。その時だけ、その同じ目の高さ、耳のひらかれ方の地平に立たせてもらうことができるからです。ありがたいことです。

実は恥ずかしながら、キッドアイラックアートホールには名前は聞きつつも一度も訪れたことがありません…。しかしそれでいいと思っています。「その次」に私自身が繋ぐべく、その場のエナジーを存分に吸収させていただければと思っています。
・・・という私情は別にして、絶対に面白い場になることは、確実ですね!是非、皆さま遊びにいらしてくださいませ!!

10月31日(月)
キッドアイラックアートホール

19:30開場 20:00開演
予約:3000円 当日:3500円
予約先: Tel:03-3322-5564  arthall@kidailack.co.jp travessia1027@gmail.com

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ジャン・サスポータス(ダンス)http://www.jsasportes.com
カサブランカ生まれ。1975年パリでモダンダンスを始め、79年ピナ・バウシュ舞踊団のソロ・ダンサーになる。世界中の劇場で踊り続け、ピナの代表作「カフェ・ミュラー」は以来35年400回を越える。ペドロ・アルモドバル監督作品「トークトゥーハー」(アカデミー賞受賞)では「世界で一番哀しい顔の男」と評される。「カフェ・アダ・ダンスシアター」主宰。俳優・オペラ演出・振付家・ワークショップなどで活躍。合気道から派生した「気の道」(野呂昌道が始める)をマスター。

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齋藤徹(コントラバスhttp://travessiart.com/
舞踊・演劇・美術・映像・詩・書・邦楽・雅楽・能楽・西洋クラシック音楽・現代音楽・タンゴ・ジャズ・ヨーロッパ即興・韓国の文化・アジアのシャーマニズムなど様々なジャンルと積極的に交流。ヨーロッパ、アジア、南北アメリカで演奏・CD制作。コントラバスの国際フェスティバルにも数多く参加。コントラバス音楽のための作曲・演奏・ワークショップを行う。自主レーベルTravessia主宰。

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大塚惇平(笙)http://ohtsukajumpei.com/
ヴォイスパフォーマンスの活動を通して笙の響きの世界と出会う。早稲田大学第一文学部卒業。音楽文化論を小沼純一氏に師事。田島和枝氏に笙の手ほどきを受ける。東京藝術大学音楽学部邦楽科雅楽専攻卒業。笙、琵琶、右舞、歌物を専攻。現在、笙、右舞、歌物を豊英秋氏(元宮内庁式部職楽部首席楽長)に師事。雅楽古典の演奏・研究をベースにしつつ、現代音楽や即興演奏、他ジャンルとの交流を積極的に行う。雅楽古典や他ジャンルとのコラボレーション企画、都内ギャラリーでの演奏、屋久島 益救神社、丹生都比売神社、高麗神社等の寺社にての奏楽奉仕等、精力的に演奏活動を行っている。

【講座開設】よみうりカルチャーセンター 雅楽・笙を奏でる

先日すでにお知らせしていました、よみうりカルチャー荻窪の教室ですが、お陰様でほどよい形、人数での開講となりそうです。ありがとうございます。

それで、実は恵比寿のよみうりカルチャーセンターでも講座を開設する予定です。さらに多くの方にご受講願いたいと思い、講座の内容について少し書かせていただきます。

講座では、まず、笙という楽器がどのような楽器か、という一般的な説明から、奏法の解説をして、具体的に、雅楽で一番有名な楽曲である「越殿楽」をまずは吹けるようになるところまでお稽古していきます。上達の程度によって、篳篥や、龍笛との合奏もしていく予定です。

宮内庁の先生や、雅楽会によって笙の吹き方はもちろん変わってくる部分がありますが、基本的な部分は同じだと考えています。どこにいってもひとまず合奏ができる、というところまで指導させていただきます。

僕自身も、芸大を卒業してから2年半、今の先生のお稽古をするようになってから1年半、だいぶ自分の中でこれまで習ってきたことが咀嚼、わかりやすくお伝えできるレベルになってきたと思います。

それに加えて、雅楽、笙という楽器の魅力についてのお話(マニアックな部分も含めて)を、現代人にもわかりやすく咀嚼してお伝えしていきます。雅楽、笙の歴史、三分損益法などの調律のお話、平安時代の楽人のお話、古楽書のお話、世界の音楽と雅楽の比較など・・・

雅楽を現代人が楽しむにあたって、楽器を演奏するだけでなく、お話を通して知っていただくことはとても必要なことだと感じています。また、それが上達につながる部分もあると感じています。客観的な視点からその辺りをお伝えするのは自信のあるところですし、私の講座の売りでもあります笑。

雅楽、笙のお稽古を通じて、「音」の世界の面白さ、日本文化の面白さを体感していただける講座にさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。詳しくは下記のそれぞれのリンク先をご覧ください。

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●日時:
【よみうりカルチャーセンター荻窪
第2・4週 木曜日 19:00~20:30
10/13、10/27、11/10、11/24、12/8、12/22
http://www.ync.ne.jp/ogikubo/kouza/201610-06495000.htm

【よみうりカルチャーセンター恵比寿】
第1・3週 水曜日 19:00~20:30
10/5、10/19、11/2、11/16、12/7、12/21
http://www.ync.ne.jp/ebisu/kouza/201610-06490010.htm

●受講料:どちらの講座も、会員 3か月 6回 16,848円(うち消費税額1,248円)

●レンタルの楽器有り、体験、見学有り

「スピリチュアリティー」のこと

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屋久島 宮之浦岳山頂から永田岳(たぶん)を望む

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屋久島での滞在を終え、東京に帰ってまいりました。なかなかに濃い体験でございました。

永田の山小屋に篭った後、島の南の、尾の間集落に滞在しました。こちらはうって変わって南国ムード、毎日色々な人たちに出会う動的な日々を過ごしました。有名な尾の間温泉にほぼ毎日入り浸りました笑。

モッチョム岳、太忠岳、そして九州最高峰で屋久島のいちばんの信仰の対象である宮之浦岳にも登ってきました。さて、せっかく屋久島に行ってきたので、普段僕があまり書かないようなことを。

カミングアウトに近いかもしれませんが、僕はかなりスピリチュアルな人間です(何をいまさらというお知り合いはどうぞご勘弁を笑)。それはずうっと前からですし、血みたいなものもあると思いますが、ほんとうにそういうことで気の合う人に出会うことが少なく、孤独に感じる事が多かったように思います。まあ、その辺りが僕のイケナイところだったりするわけですが笑。

大抵、人はそういうものを求めると、「かたち」や、イデオロギーに捉われてしまう事が多いです。自分の感じていることでなくて、何かのかたちやイデオロギーに依存して、それが自分の実感であると自分に偽ってしまう。それは主に生存に対する恐怖や不安からくることが多いのですが。

でも、本当の「そういうもの」というのは、外側のイデオロギーではなくて、内側というか、自分の本当に素直な実感の中にしかありません。

そうではなくて、何もない、その人のほんとうの実感から立ち現れてくる「何か」の中に、「そういうもの」はあると思っています。それはかたちも、名前もないものです。ただ、それが「在る」ということだけです。

何かの思想や、宗教を「信仰」して、その世界の中に入っていけば、その世界を体験することができるでしょう。でも、あくまでそれすらも相対的なものに過ぎないということだと僕は思っています。もちろん、何かの伝統の世界観に惚れ込んで、それを生きるということは、とても素晴らしいことだと思います。何かを「信じる」こと、あるいは「眼差す」ことを決めなければ、世界そのものの中に入っていくことはできない。思想や、宗教というものは、それを「生きて」初めて意味が立ち上がってくるものだからです。まあしかし、何を信じていなくても、人間というのは常に社会的な幻想の中に生きているのだと思います。また、幻想と実在は表裏一体、あるいは、常に拮抗しつつ相補しあっているものなのだと感じています。

いかに自分が相対的な幻想の中に生きているか・・・に気づくことが、自由に生きるために必要なことのように感じています。

さて・・・なぜこのようなことを書くかというと、「そういうこと」こそが自分が笙を吹く意味なのだなあ、と実感したからです。

ここのところ、特に一人で演奏することが苦しいなあ、と感じることが多く、どうしたものか、と思っていたのですが、

屋久島に滞在して、やはり、演奏をすることと、自身のスピリチュアリティーの部分を統合していかないといけない、ということに改めて気付き、そうすることに決めました。

昨年、笙の演奏を続けていくか、出家して真言宗の僧侶になるか迷っていた時期がありました。今でも、自分は演奏家というより、宗教者だなと思うことが多いです。しかし、今生では仏教の道を選ばないと決め笑、演奏を続けることを選びました。

自分が実感している「それ」を、音を通して表していく、そのうつわの一つとして、笙を選んでいる気がします。それともう一つ、やはり言葉でそういうことを伝えること、が、自分にとっては大事で、必要なことのように感じています。

私たちはどうしても(自分の理解している)「文脈」で物事を理解しようとしまうし、それに身をおもねてしまうけれど(それは生きるためには必要なことだけど)、そうではない、「どこかまったく与り知らないところからやってくるなにか」はあると思っています。その地平に立つことが自分にとっての表現者としての立ち位置のような気がしています。

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尾の間集落からモッチョム岳を望む。

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モッチョム岳への途上にある、万代杉

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尾の間集落の南国感

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太忠岳途上の森にて。屋久島らしい森。

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宮之浦岳登山の途上にて。

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宮之浦岳山頂。永田岳(おそらく)をバックに。

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西部林道内の森、ガジュマルの巨木。

屋久島来島。

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屋久島 いなか浜にて。

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屋久島に来て5日目です。

ちょっともろもろの一区切りをつけたかった、というのと、滞在制作という名目で笑、しばらくこちらにおります。

屋久島には屋久島は宮之浦にある、益救神社さんのご縁で何回も来ているのですが、今回も益救神社さんのご紹介で、宮司さんの弟さんの経営されているグァバ農園の山小屋?に滞在させていただいています。

屋久島の永田にはウミガメの産卵で有名ないなか浜という美しい浜がありますが、そのすぐ近くの山に篭っております。周りに誰もおりません。風呂は五右衛門風呂で、毎晩火を焚きます。

屋久島に来ると、いったい自分は前世でどれだけ善行を積んだのだ?と訝しくなるくらい皆様によくしていただいてしまい大変恐縮します。とてもありがたいことです。

いなか浜はここは天国だろうかと疑うくらい美しい場所です。それは主に同じく弟さんの経営する海の家で生ビールが飲めるということに由来する部分も大きいですが。お兄さんが、ウミガメの保護活動を行うNPO法人をされていて、着いた日には運良く保護されたウミガメの赤ちゃんの放流に立ち会うこともできました。

滞在させていただいている山小屋は、ほぼジャングルでして、台風の直撃も経験しました。夜の山は怖く、また、妙にテンションが上がったりもします。周りに森とか川とか海とか星しかない状況というのは、なかなか今までの人生でも経験してないものかもしれません。

さて。書きたいことは山ほどありますが、しかしやはりこれは滞在制作のための滞在でして。これまでたくさん即興演奏をしてきた自分の中の蓄積から、自分の記録も兼ねて、少しずつ楽曲を作っていこう、ということがメインの目的である、ということを宣言しておいて、必ず成果を上げるということで・・・。

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住吉神社にて。

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滞在先の山小屋。

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その裏手。

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台風が直撃しました。

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五右衛門風呂を焚きます。

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保護されたウミガメの放流にも立ち会う。

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いなか浜の夕日。

笙を通じて「聴くこと」に耳をひらく / そのための場作り思案

さて、カルチャーのお知らせをした後であれなのですが、

やはり、できれば教室を個人的にも開きたいなと。カルチャーはご縁ですしカルチャーならではの出会いもありますので、そちらも続けますが、

先日の原始感覚美術祭で感じたことがいろいろあって、やはり「音を聴く」ことのおもしろさ、価値を、笙を吹くこと、体感することを通じて知ってもらえることをやりたいと思っています。

笙の音を聴いてもらった感想として、「笙の音を聴いていると逆に周囲の環境の音が良く聴こえるような気がする」というものが多いです。

笙の音の指向性として、そういう部分があると思います。ジョンケージの笙のための楽曲one9もそういった笙の音の指向性がうまく出ているような気がします。

それだけでなくて、雅楽という伝統、笙の伝統の中には、現代人があまり意識を向けない「聴くこと」に対する叡智というか、蓄積がとてもあるように感じます。

伝統には、その伝統に携わった人間が「眼差してきた」「耳を傾けてきた」世界観が、長い年月をかけて、膨大な情報として蓄積されています。そこに、おもしろさがないわけがない、というか、そのおもしろさを実感しているから僕なんかは続けているわけです笑。

そういう音に対する感性が日本にはあるよ、ということを知ってもらえれば・・・と思っています。

というわけで。どんな場所で、どんな風にやっていったらよいか…ご教示いただける方がいらっしゃれば幸いでございます。一緒にやりたい、やってみたいという方がいらっしゃればなおさら。

なんとなく、アートの文脈に光があるように感じております。多方面に展開していけるような面白いことができれば!と。よろしくお願いします。